エッセイ

ホリエモンもひれ伏す私の「他動力」

ホリエモンこと堀江貴文さんの著書に『多動力』がある。

 

多動力とは、いくつもの異なることを同時にこなす力だという。

 

先天的と言おうか、私には幼い頃からある力が備わっている。

それを「他動力」と命名した。

 

他動力

読み方:たどうりょく

他人の力を搾取することにより、自分の動力とすること。

※他力本願の源のようなものである。

 

「見せてあげよう。他動力の雷(いかずち)を!」

 

お決まりの頃、伺います。

 

夫と初めてのデートで、横浜赤レンガ倉庫の「GRANNY SMITH」という、人気のアップルパイ専門店に行った。

各自、アップルパイとソースを選び注文。

夫:「いただきまーす」

ピー子:「なんこれ、うっま!ちょっと、そっちもちょうだい」

 

モシャモシャ、ヌチャヌチャ……ゴックン。

 

ピー子:「ううううっ、うますぎる!!!」

 

私のアップルパイもさすがGRANNY SMITHと舌を鳴らす逸品だったが、夫のチョイスはそれを遙かに超えるものであった。

 

これが、神をも唸らせるパーフェクトジャッジ!

 

圧倒的な力の前で、人は皆無力である。

私には食べ物を選ぶセンスがない。

あるいは、夫にそのセンスがあり過ぎるのか!?

 

その瞬間、私の中の自身でメニューを選ぶという意欲がシュラスコの肉の如く削がれた。

 

夫は、オリンポス十二神の1人、ゼウス様なのかもしれない。

オー!全能の神ゼウスよ!

これから先、我々の神聖なる外食時に2人分のメニューを選びたもれ。

それから早6年、私は1度たりともメニューを選んでいない。

すべては、ゼウス様のお導きのままに……。

 

店員さんに告ぐ!!

それがしのことは、ムシしてくれてかまわない。

「お決まりの頃、伺います」とおっしゃいますがね、「お決まりの頃」なんて私には訪れないんだよ!

いつまで待ってもな!

 

これが、他動力だ!!

 

洗濯ってなんですか?

 

私は、1人暮らしをしている時からシーツを洗うのが大嫌いだ。

戦国三武将(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)の有名なホトトギスの俳句になぞらえると……。

「汚れるなら捨ててしまえ布団シーツ」

私は完全に織田信長タイプだ。

 

あなたは、どの武将タイプ?

って、戦国武将占いかーい!!

ベタなノリツッコミに付き合わせてしまって、すまない。

しばし、ご歓談を。

「ハッハッハッハッ」

 

1人の時は、シーツを使い捨てにしていた。

しかし、いつまでも捨て続けるわけにもいかない。

 

なぜなら私には、夫がいるからだ。

だがしかし、どうしてもシーツを洗濯するという選択ができない。

 

そうだ!

「洗わぬなら夫に洗わせてみせよう布団シーツ」

豊臣秀吉大作戦でいこう。

 

我が家の家事が分担制なのをいいことに、夫を洗濯担当へといざなったのである。

 

これが、他動力だ!!

 

名店の一品

 

一方、私の担当の大部分を占めているのが「めし炊き担当」である。

心優しき夫は、少しでも私の負担を軽くしようと頻繁に楽天スーパーセールで温めれば食べられる名店の一品をお取り寄せしてくれる。

 

「作らぬなら届くまでまとう名店の一品」

by 徳川ピー子

 

ひとり「戦国三武将」、これにてコンプリートだ。

 

こんなに楽をさせて頂いているのに「今日は夜ごはん作る気分じゃねーなー」ということがある。

 

そんな時は、ウバるに限る。

 

ペポパポペポパポ……プルルルルルー。

会社から帰宅途中の夫に、電話をする。

ウーバー旦那である。

マックを注文。

 

翌日、夫が会社で同僚のトントンに声をかけられた。

トントン:「ねぇ、昨日の夕食なんだった?」

夫:「マック」

トントン:「え?奥さん調子悪いの?大丈夫?」

 

トントン、それがしの体調か?

すこぶるよいぞ!

 

ウーバー旦那とマックを、賢く利用。

 

これが、他動力だ!!

 

ピー子の処女作『他動力』が書店にならぶ日も、そう遠くはないだろう。

ファンの皆さま、サイン会で会おう。

「アディオス!アミーゴ!」