エッセイ

私の成分「方向音痴 60%、都会への憧れ 25%、浪費癖 15%」

この地球上にあるすべてのものは、原子の集合体である。

私たち人間の体は「ほとんど水でできている」と言っても、過言ではない。

そして水を除くと、炭素原子が50%、酵素原子が20%、水素原子が10%……と続く。

この他にもメンバーがたくさんいそうなので、お時間の都合上、紹介は割愛させていただく。

次のライブの際は、必ずサポートメンバーを含めすべての紹介をすることをここに誓う。

 

私の体は、本当にそのようなもので出来ているのか?

実はもっと、別の何かの集合体なのではないか?

という、疑念が頭をもたげ、その考えは日に日に大きくなるばかりだった。

 

その日から、寝食を忘れてこの謎の解明に没頭した。

 

雨の日も……。

 

風の日も……。

 

どや顔を指摘されて、赤面した日も……。

 

「今日はガッツリいくぞ」と帰宅したら、夕食が煮魚と酢の物だった夜も……。

 

ドラマの最終回が、途中までしか録画されていなかった事実に気付いた朝も……。

 

そして、導きだされた答えがこれだ。

 

ピー子を形成しているものグラフ

方向音痴 60%

都会への憧れ 25%

浪費癖 15%

 

このグラフには、わが身に降りかかる災いの根源が「極度の方向音痴」のせいであるということが、顕著に現れている。

点と点が線でつながった瞬間だった。

 

めいていた会社は、片側二車線の道路に面していた。

外出する用事があり、極度の方向音痴である私はGoogleマップのナビにしたがって車を走らせた。

目的地に到着し用事をすませ、ナビにしたがって帰社する。

会社へと近づいたところで……。

 

Googleナビ:「目的地に到着しました」

ピー子:「うそやん。目的地は道路の反対側やん」

片側二車線の道路の逆側で、ナビは終了したのである。

 

落ち着いて、もう一度Googleマップのナビをセットして走り出す。

ピー子:「ここを右に曲がって、次の交差点を右で……」

Googleナビ:「目的地に到着しました」

ピー子:「あかん。だから目的地は道路の反対側やっちゅーの」

ピー子:「ああ~、会社、見えてるのにな~」

デジャヴか!

悪魔的なこれを、さらに2度ほどくり返してみたが、たどり着くのは会社の逆側の道。

 

プルルルルルルー♪

ピー子:「もしもし、課長!今、会社の前やけど、帰れない」

課長:「えっ?どういうこと?」

ピー子:「ナビが道路の逆側で終わっちゃう」

ピー子:「車、ここに置いてくわ。カギさしとくから。あとは、よろしく!」

課長:「わかった。すぐ行く」

 

私にとって、Googleマップのナビは『徹子の部屋』にとっての徹子である。

なのに……。

徹子は、いずこへ……。

 

17:00に仕事を終えた私は、焦っていた。

今日は愛する夫の誕生日。

会社帰りに、予約しておいたケーキを引き取りに、ケーキ屋さんによらなければならない。

Googleマップのナビの目的地を、ケーキ屋さんにセット。

 

Googleナビ:「3m先、交差点右折」

ピー子:「あれ?なんか変や」

交差点の手前の、コンビニの裏と田んぼの間のあぜ道へと右折してしまった。

しかし、ピー子は振り返らない、戻らない、前進あるのみの「前進女」である。

ギャンギャンあぜ道を走って行く。

10m……

20m……

30m……

どんどん道が狭くなる。

「前進女」のピー子もさすがに不安になったが、あとの祭りだ。

もはや戻ろうにも、方向転換する場所もないのだ。

40m……

50m……

 

ゴーーーーーーーーール!

 

先日行われた、サッカーの日本代表とスペイン代表の試合を彷彿とさせる。

久保からのパスを受けた、堂安の先制ゴールに匹敵する「鮮やかな行き止まり」だった。

泣きながら、50m鬼バックするピー子であった。

 

私にとって、Googleマップのナビは、魚にとっての「水」である。

なのに……。

水は、いずこへ……。

 

Googleマップ様、こんなにもお慕いもうしているのに。

どうして貴方は、私にこれほどまでにひどい仕打ちをなさるの?

パソコンでストリートビューをみる時に、ペグマン(黄色の人)を乱暴に地図上に落とすからですか?

そりゃそうですよね。ペグマン(黄色の人)だって人間ですもんね。

足、骨折しますよね。

あんなに乱暴に落とされたら、複雑骨折するのは必至ですよね。

全治1ヶ月じゃ、すみませんよね。

ごめんなさい。これからは、改めます。

Googleナビ:「わかれば、よろしい」

Googleナビ:「あなたは、『他者への思いやり』という名の目的地に到着しました」